北京留学で挫折した大学生が人生を立て直した方法|挫折直後から就職までの体験談

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この記事では北京留学で挫折して人生に絶望した大学生が、挫折直後・帰国まで・帰国後の半年間・就職活動・社会人生活をどのように過ごしたかを紹介します。

留学は人生を変える可能性のある素晴らしい経験ですが、挫折してしまうこともあります。

私自身、2017年から2018年の北京留学中に人生で一番の挫折を経験しました。

それまでの人生で大きく落ち込むことはありましたが、留学中にした挫折はそれらとは比べ物にならないほど大きなものでした。

そんな挫折の後、私がどのように立ち直り、就職活動を経て社会人生活を送ることができたのかをお話しします。

万人に当てはまる話ではないかもしれませんが、留学中に挫折してしまった方や、留学後の人生に不安を感じている方の参考になれば幸いです。

北京留学で挫折して人生に絶望した

私は2017年9月から2018年6月までの10か月間、北京に留学しました。

留学プログラムでは現地大学の国政政治系の講義を中国語で受けて1年間で一定の単位を取得し、学位を取得することが求められていました。

いまは思い返すと、私にとってこの留学プログラムは語学能力の不足・多くの講義への好奇心の欠如・留学生コミュニティへの馴染めなさから、非常に厳しいものでした。

私は留学中に自分の語学力のなさを痛感し、講義内容を十分に理解できないことが多く、言いたいことを自由に言えないことに苛立ちを感じていました。

私は上半期の講義で1つの単位を落としてしまい、下半期の講義でより多くの単位を取得しなくてはなりませんでした。

これは私にとって大きなプレッシャーとなり、精神的に追い詰められてしまいました。

朝に起きることができず、慢性的に腹痛が続き、いざ講義に出席しても内容についていくことができなくなりました。

結果として、私は留学先での学位取得を断念しました。

これまでの人生でやってみたいと思ったことに挑戦して、途中で合わないと感じてもそれなりの結果を出すことができてきた自分にとって、今回の挫折は非常に大きなものでした。

留学という大きな決断で自分に合わないプログラムに挑戦してしまったこと、そして、自分に合わないと感じたけど乗り越えようとしたが結果を出せなかったことが非常に悔しかったです。

そして留学プログラムに通るために準備したこと、北京に来るまでに準備したこと、留学にかかっている費用などを考えると、私は自分の挫折に対して非常に落ち込みました。

北京留学での挫折を経験して、私は「自分は人生に失敗した」「自分はダメ人間で価値がない」「今後生きていても同じような失敗を繰り返すだけだ」と感じ、人生に絶望しました。

挫折してから帰国まで

学位を断念した私は、体調とメンタルが崩れていることを認識して、人間らしい生活を送ることを優先しました。

自己否定を繰り返してしまうメンタルだったので、まずは落ち込んでいるメンタルを回復させることを優先し、ひたすら眠りました。

学位・講義・中国語を覚えることなどはいったん置いておき、睡眠を最優先にしました。

睡眠を取れるようになってからは、午前中に起きて部屋の外に出ること、散歩しながら日光を浴びることを心がけました。

日光を浴びることで、セロトニンが分泌されてメンタルが安定しやすくなるからです。けっこう効果がありました。

その次に、食事をしっかりとることを心がけました。

いきなり完璧な食事を摂るのは難しいので、自分が美味しいと感じるものを1日2〜3回食べることを目標にしました。

睡眠と食事が安定してきてからは、身体を動かすことも心がけました。

部屋の中でストレッチをしたり、自重で筋トレをしたりしました。身体を動かす習慣がつくと、お腹も空くし、よく眠れるようになりました。

心身の健康が回復してきてから、自分がやりたいことに少しずつ挑戦するようにしました。

学位を断念しているのだから、とくに興味のある講義だけに出席しました。

スーパーに行って珍しい食材を買ったり、行ったことのないレストランに行ったりしました。

せっかく中国にいるのだから、北京周辺や他の地方へ旅行を計画していろいろな場所に行きました。

学位は取得できないとしても、自分が中国でできることを楽しむように行動しました。

半年が経ち、帰国のタイミングになりました。

帰国前に留学先の担当者に呼び出され、単位が足りなくて学位が取得できないことを伝えられました。

しかし、怒られている感じではなく「大丈夫ですか?」と確認・心配されている感じでした。

私は「はい、大丈夫です」と答えました。

最後の数日間は帰国便を予約して、部屋を掃除して、留学先で手続きをして、帰国日を待ちました。

帰国日は退寮手続きをして、タクシーを呼んで空港に行き、帰国便に乗って日本に帰りました。

帰国後の半年間で挫折から人生を立て直す

帰国後すぐは、家族と過ごしたり、荷解きをしたり、友人と会ったりして留学中にできなかったことを楽しみました。

いざ日本に帰ってきてみると、留学中に感じていた孤独感や寂しさがなくなり、精神的に安定しました。

ですがまだ留学先での挫折は引きずっており、十分に昇華できていませんでした。

大学の講義が始まるまでの期間で、所属大学に帰国届を提出したり、留学中に失効した運転免許の更新手続きをしたりしました。

留学中に挫折したときの私は、留学プログラムのことで大学の担当者から怒られると心配していましたが、実際には怒られませんでした。

留学先の担当者や大学の担当者にどのように思われていたかはわかりませんが、私が留学プログラムを達成できなかったことで何か言われることはありませんでした。

翌年の留学プログラムへの影響があったかどうかはわかりません。大学としては、ちゃんと留学プログラムを完遂できたほうが良いに決まっています。

人生に絶望して、自分はダメ人間だと自己否定していた私ですが、留学プログラムを完遂できなかったことを過剰に心配していたことに気づき、少しずつ自分を受け入れられるようになりました。

大学の講義が始まってからは、大学の講義に出席したり、アルバイトをしたり、友人と会ったりして過ごしました。

そして、就職活動を始める前に、留学中に挫折したことを振り返り、正しく昇華して自分の糧にすることを目標にしました。

なぜ留学中に挫折してしまったのかはは理解していました。語学力の不足、多くの講義への好奇心の欠如、留学生コミュニティへの馴染めなさが原因でした。

この挫折を期に自己否定が加速してしまった部分に伸びしろがあると考えて、当時のことを分析したりメンタル系の書籍を読んだりしました。

なぜ自己否定が加速してしまったのかについて、私が分析した結果は以下の通りです。

  • プレッシャーやストレスが強い環境で自分の選択で失敗したことにより、自分を責めてしまった
  • 「失敗すること=悪いこと、取り返しがつかないこと」という認知のゆがみがあった
  • 留学プログラムという他人に影響を与えてしまう事柄であったため、自分の失敗が過剰に大きく感じられ、今後の人生でもすべて失敗してしまうように感じられた
  • 「他人に迷惑をかけてしまう自分=価値がない」という認知のゆがみがあった

これらは私の妄想によるところが大きく、実際にはそこまでの失敗ではなかったです。

現実的には、留学プログラムを完遂できなかったことで、私は人生をかける必要はなかったのです。

冷静になってそれに気づくことができたので、私はこの挫折による自己否定を乗り越えることができました。

認知行動療法関連の書籍を読んだことで、失敗や迷惑に関する認知のゆがみ・被害妄想などを理解できたことも大きかったです。

挫折による自己否定を乗り越えたあとの就職活動

挫折による自己否定を乗り越えた私は、就職活動を始めました。

留学プログラムの選択のように、あまりにも自分の興味関心に合わない仕事を選ばないように注意しました。

挫折直後や自己否定を分析するために、自分自身を見つめ直した経験は自己分析に役立ちました。

中国語資格よりも多くの人がすぐわかるようなアピールポイントのほうがいいと考えて、TOEICのスコアを向上させることにしました。

目標に向かって集中して準備`したおかげで、TOEICのスコアは留学前の750点から900点に向上しました。

履歴書や面接では、大学生活で一番力を入れたサークル活動のエピソードを中心に自己アピールをしました。

北京留学や中国語能力に関する話は質問されたときに話す程度にしました。自分が強みとして売りたい部分ではないですし、ネガティブな経験をわざわざ話す必要はないと考えたからです。

私は就職活動で複数の企業から内定をもらい、最終的に自分の興味関心に合うIT企業に就職しました。中国や語学に関する仕事ではありません。

働き始めてからのメンタルへの影響を考えて、内定をもらった企業の中で自分の気持ちがついていかないような企業は辞退しました。

私の就職活動がうまくいった要因は以下のとおりです。

  • 自己分析を徹底的に行い、面接で礼儀正しく堂々と話せるように準備した
  • TOEICスコア900点を取得し、目的に向かって努力できること・語学力をアピールした
  • 好まれやすい要素「物事に積極的に取り組む姿勢」「他者との協力」を、サークル活動のエピソードを利用してアピールした
  • 就職エージェントを活用した
  • 挫折を乗り越えた話も用意しておき、質問されたときに話せるようにした

挫折を教訓にして社会人生活を送る

私が北京留学中に挫折して人生に絶望した経験は、社会人生活を送るうえでの教訓になっています。

まず、人間は失敗したり・成功したりするものだと理解しています。常に成功し続けることは不可能です。

次に、人間は睡眠、食事、運動などの基本的な生活習慣を整えることで、心身の健康を保つことができると理解しています。

そして、私は認知のゆがみや被害妄想などをしやすい傾向があることを理解しています。認知の歪みや被害妄想は自分で気づいて修正することができるとも理解しています。

社会人になってからもプレッシャーやストレスを感じる局面は多いですが、挫折を乗り越えた経験があることである程度は冷静に対処できています。

落ち込むこともありますが、基本的な生活習慣を整えたり、認知のゆがみを修正したりすることで、メンタルを安定させることができています。

北京留学中は挫折している状況が将来の糧になるとは思えませんでしたが、数年後にはあのとき挫折と自己否定を乗り越えた経験が糧になっていると感じています。

この経験を通じて、私は自分自身を受け入れ、過去の失敗を糧にして前に進むことができるようになりました。

まとめ:北京留学で挫折した大学生が人生を立て直した方法

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

私が北京留学中に挫折して人生に絶望した経験と、その後の人生をどのように立て直したかを紹介しました。

人が失敗したり、挫折したりしてしまうことは決して珍しいことではありません。

今まさに自己否定に苦しんでいる方もいるかもしれません。

自分が自分に思っている気持ちが、認知の歪みや被害妄想によるものかもしれないと疑うことが、自己否定を乗り越える第一歩になるかもしれません。

私の経験が、同じような状況にいる人たちの参考になれば幸いです。